※2021年5月31日週のエンタープライズニュースのハイライトを筆者の独断と偏見によるセレクトでお伝えします。
○News of the Week
- ラック、デジタル金融サービスを狙った金融犯罪の急増を受け、被害を未然に防ぐための知見を共有する「金融犯罪対策センター(FC3: Financial Crime Control Center)」を設立、6/1より活動開始、センター長にはメガバンクで金融犯罪対策を陣頭指揮してきた経験をもつ小森美武氏が就任する。おもな活動内容はAIを活用した金融犯罪対策に有効なソリューションの開発や検証、金融業界/大学/サイバー犯罪対策組織との連携など。「最新の犯罪手口を検証し、最先端テクノロジによる対策を実装することで、金融機関は高度な金融サービスを提供できるように、またユーザが安心してサービスを使えるようになることをめざす」(小森氏)(6/1) →プレスリリース
- Google Cloud Japan、5月に米国で発表されたデータクラウドの3つの新機能を紹介。インテリジェントなデータファブリックによる統合されたデータマネジメント「Dataplex」(プレビュー)、サーバレスアーキテクチャでリアルタイムデータを高速かつシームレスに扱う「Datastream」(プレビュー)、組織の壁を超えたデータと分析ノウハウの共有を実現する「Analytics Hub」(6/2) →Dataplexの紹介ブログ / Datastreamの紹介ブログ / Analytics Hubの紹介ブログ
- NVIDIA、オンラインで開催された「COMPUTEX TAIPEI 2021」においてエンタープライズソリューションのアップデートを発表。AIプロジェクトをプロトタイプから本番稼働へとすみやかに移行させる「NVIDIA DGX SuperPOD」搭載の「NVIDIA Base Command Platform」(NetAppストレージ)のサブスクリプション提供、サーバベンダ向け認定システム「NVIDIA-Certified Systems」の対象機種を拡大し、今秋以降には「BlueField-2 DPU」向けのカテゴリも登場、2022年にはArm CPU搭載マシンにも拡大予定。(6/1) →NVIDIA Base Command Platformのニュースリリース / NVIDIA-Certified Systemsのニュースリリース
- Cisco、バーチャルイベント「Future Cloud」において、「Cisco UCS-X」シリーズを含むハイブリッドクラウドに特化した次世代データセンター向けポートフォリオを発表。ラックとブレードを混載した7RU/8ノードのUCS-Xはクラウドベースの運用管理システム「Cisco Intersight」と統合されており、ハイブリッドワークロードを幅広くサポート。そのほかには、ローコードベースのシンプルで容易なITオペレーションを実現する「Intersight Cloud Orchestrator」、Hyperflex(HCI)上でのSaaSマネジメンに特化したKubernetesベースのOS「Intersight Workload Engine」、スイッチ製品「Cisco Catalyst 8000」「Cisco Nexus 9000」にインターネット可視化製品「Thousandeyes」を統合など。(6/2) →ニュースリリース
- デル・テクノロジーズ、中小企業が抱えるIT課題をピンポイントで解決する6つのソリューションパッケージ「今すぐ始められる中小企業向け6つのITソリューション」の提供を開始。中小企業経営者/IT管理者の関心が高い「テレワーク」「セキュリティ」「BCP/災害対策」の3つの課題に対し、それぞれ2つのフェーズからソリューションを提供する。またデルの中小企業事例として、AI物流ロボットのユニコーン企業ギークプラスの導入事例も紹介。(6/4) →ニュースリリース / ギークプラスの事例紹介
○Around the World, Around the Enterprise
- Facebook、社内のAIシステムをすべてPyTorch上に移行することを発表。移行開始からすでに1年が経過しており、現在は1日平均4000を超えるモデルがPyTorch上で稼働しており、うち1700を超える推論モデルが本番稼働中、またFacebookコンテンツの分析に使われているトレーニングモデルの93%がPyTorchベースとなっている。社内のAIツールをPyTorchで統一することで開発スピードの向上と、AIシステムの運用負荷軽減を図る。(6/2) →Facebookのブログ
- 「NVMe 2.0」がリリース。SSDとホストが連携してデータ配置ができるZoned Namespace(ZNS)、SSDコントローラに対しブロックアドレスのかわりにキーでアクセス可能にするKey-Valueコマンドセット、ハードディスクなどローテーションメディアのサポートなど。(6/3) →ニュースリリース
- FireEye、製品事業をエクリティファームのSymphony Technology Groupに12億ドル(1313億円)で売却へ。今後はセキュリティインシデントに関連するコンサルティングサービス「Mandiant Solutions」事業に特化する。取引の完了は2021年第4四半期末を予定。(6/3) →ニュースリリース
○Quote of the Week
I am very pleased with our results that are marked by revenue growth, strong profitability and free cash flow. The overall demand environment is improving, and we are seeing traction across our portfolio.
HPE reports fiscal 2021 second quarter results
–Tarek Robbiati, EVP & CFO of Hewlett Packard Enterprise
※筆者訳: 売上の伸び、力強い収益性、そしてフリーキャッシュフローという結果を得られたことは非常にうれしい。全体的にビジネスの需要は伸びており、我々のポートフォリオに強い牽引力があることを実感している。
※※HPEの2021年度第2四半期における売上は67億ドルで対前年比で11%増。2015年以来、6年ぶりに2ケタ成長を記録した。ちなみに2015年はまだHPの時代である。
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