「理想に近いたすきリレー」 – SAPジャパン福田社長が退任会見、新社長となる鈴木氏へバトンタッチ

SAPジャパンは2月19日、東京・大手町にある「SAP Experience Center Tokyo」において、すでに3月末での退任と富士通への入社を発表したSAPジャパン 代表取締役社長 福田譲氏と、4月1日付けで同社新社長に就任するSAPジャパン 常務執行役員 インダストリー事業統括 鈴木洋史氏による会見を行いました。福田氏は2014年9月に社長に就任してからの5年8カ月を振り返り、「SAPというグローバル企業の価値観を日本のお客様、そして日本法人の従業員に伝えていくという軸は保ちつつ、あくまでも日本を起点にしたビジネス、日本のニーズにあわせた仕事をしていくという姿勢を通してきた」と振り返り、SAPジャパンの新しいリーダーとなる鈴木氏に対しては「きわめて顧客指向が強く、テクノロジをビジネスに結びつけていくことをつねに考えている人物。個人的には理想に近いたすきリレーができと思っている。おかげで後のことをほとんど心配することなく、(富士通での)次の仕事に専念できる」と高く評価しています。

会見で記者からの質問に応える福田社長(左)と、4/1から社長に就任する鈴木氏

福田氏の社長在任期間は、日本法人にとってまさにコアビジネスをクラウドへと転換してきた時期と重なります。とくに2015年2月にリリースされた「SAP S/4HANA」を中心とする”クラウド×ERP”というまったく新しい選択肢を、変化への耐性が弱く、スピード感にとぼしく、リスクテイクの意志を感じにくい日本企業に提示し続けるのはなかなかに骨が折れる仕事だったのでは…と推察します。「いまの時代に適した基幹システムを、企業の成長にあわせて提供していく、そういう面ではけっこう良い仕事ができたと思う」(福田氏)

顧客に対してだけでなく、福田氏は日本法人の従業員ひとりひとりに対しても、個人がビジョンをもって行動する重要性を訴え続けていました。今回の会見では記者席に「SAP Japan Vision 2032 – ニッポンの未来を現実にする」という小冊子が置かれており、そこにはSAPジャパンが掲げるビジョンと社員としての行動5原則がまとめられています。次の20年を見据え、日本企業、日本社会がよりよくあるためにテクノロジカンパニーとして支援していく、そのためには従業員ひとりひとりがリーダーシップを意識して行動していかなくてはならない – 「”変革”を志すすべての人のパートナーであり続ける」「”会社を変える”は”社会を変える”」という福田氏が社長就任時に掲げた抱負は、SAPジャパン自身の変化を促すものであったと理解できます。5年8カ月をかけて実践してきた顧客と社員に対する”変化”へのプロモーションの実績が、富士通というニッポンの大企業でどんな未来をかたちづくる原動力となるのか、引き続き注目していきたいと思います。

SAPジャパンの従業員に配布される「SAP Vision 2032」の巻頭言

福田氏からバトンを受け継ぐかたちで4月からSAPジャパンの代表取締役社長に就任する鈴木氏は、2015年1月にコンシューマー産業統括本部 統括本部長としてSAPジャパンに入社しています。福田氏の社長就任からほどなくして入社したこともあり、福田社長と「二人三脚」(鈴木氏)で日本のビジネスを拡大してきました。今後の抱負として「カスタマーファースト、コイノベーション(共創)、ワンチームを掲げ、お客様のデジタル変革になくてはならない存在となり、その実践を通じてニッポンの”未来”を現実にする」(鈴木氏)とのこと。福田氏の路線を引き継ぎながらも、新しいSAPジャパンのリーダーとして独自カラーを出していくことも期待されそうです。

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トップ画像は会見終了後に「1枚お願いできますか」と撮らせてもらった福田社長です。「お疲れさまでした」と声をかけると「いやー、でも3月までがっつりお客様のところに行くんですけどね(笑)」とのこと。SAPジャパンの社長として多方面に最後のあいさつを行い、4月1日から新しい職場へと向かう、日本ではわりとめずらしいケースのキャリアチェンジかもしれません。富士通の福田さんとしての活躍も期待しております!

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