Red Hatが開発するオープンソースの次世代ストレージマネジメントツール「Stratis」が9月28日(米国時間)、2年の開発期間を経てバージョン1.0となりました。2018年10月末にリリース予定の「Fedora 29」ではパッケージとして提供される予定です。
【GitHub】Stratis – Easy to use local storage management for Linux
Stratisは単一のローカルストレージから複数のストレージで構成されるマルチデバイスまで管理できるソリューションです。マルチストレージの場合はストレージプールを構成し、そのプールからファイルシステムを新たに作成することで、プロビジョニング、スナップショット、モニタリングなどを自動化し、シンプルで容易なストレージマネジメントを実現します。
マルチブロックデバイスからプールを構成し、ハイブリッドなストレージマネジメントを可能にするという観点でいえばZFSやBtrfsといった既存のファイルシステムと似ている部分が多いのですが、Strarisがこれらと決定的に異なるのは、in-kernelなアプローチだけでなく、ユーザスペースのデーモン(stratisd)としても機能するという点です。コマンドラインからの操作ももちろん可能です。コマンドラインからStratisを扱う方法については、Red HatのプリンシパルソフトウェアエンジニアであるAndy GroverがRed Hatのオウンドメディア「opensource.com」にハウツー記事をアップししていますが、非常にシンプルな操作であることがわかります。
【opensource.com】Using Stratis to manage Linux storage from the command line
Groverはこの記事でStratisのコンセプトについて「ブロックデバイス」「プール」「ファイルシステム」と説明しています。この3つのコンセプトを忠実になぞることで、現在求められている「ローカルマシンからデータセンターまでを扱える自動化されたストレージマネジメントソリューション」(Grover)を実現しようとしているStratis、かつて次世代のファイルシステムとして大きな衝撃を与えたZFS以上の存在になることをゴールに掲げ、開発を進めています。
0We seek to satisfy the same needs that ZFS does, but also integrate more tightly into today’s increasingly automated storage management solutions that span the data center as well as the local machine.
–Startis Software Design Version 1.0.0 (PDF)