Verizonは5月3日(米国時間)、同社のメディア事業「Verizon Media」を50億ドル(約5486億円)でエクイティファームのApollo Global Managementに売却することを発表しました。Verizon MediaにはYahooやAOLといった資産が含まれています。売却完了後のブランド名(新会社)は「Yahoo」となり、Verizon Mediaの現CEOであるグル・ゴウラパン(Guru Gowrappan)が引き続き”新生Yahoo”のCEOとして事業を統括します。
Verizonは売却額の50億ドルのうち、42億5000万ドルをキャッシュで、残りの7億5000万ドルについてはその利息を優遇金利で受け取り、さらに新会社の株式の10%を保有します。取引の完了は2021年度下半期が予定されています。
Verizonは2015年に44億ドルでAOLを、2017年に45億ドルでYahooを買収しましたが、2021年の現在、両社あわせて約半分の資産価値に下がった状態での売却となりました。すでにTumblr(2019年)やHuffPost(2020年)などのメディアも売却しており、今回の事業ユニット売却で、Verizonはメディア事業からほぼ撤退することになります。Verizonのハンス・ヴェストベリ(Hans Vestberg)CEOは「Verizon Mediaはこの2年半、すばらしい実績を残しており、その伸びしろは巨大だ。次の成長にはさらなる投資と正しいリソースの適用が求められる。私はYahooの新たな地での飛躍を心から信じている」とコメントしていますが、通信事業者がメディアを運営する難しさをあらためて世に示したケースとなりました。今後、Yahooというインターネット黎明期の巨人を社名に冠した新会社が、どんなメディアをいまの時代に展開していくことになるのでしょうか。
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