11月7日、東京・パレスホテルにおいて日本IBM主催のCEO向けイベント「Think Leadership」が行われました。イベントのターゲティング上、会場は50代以上のスーツを着た男性がほとんどを占めていた空間で、ひとりだけ光をまとったような華やかな存在感を放っていたのが、グリーンのドレスに身を包んだ来日中のIBM CEO、ジニ・ロメッティ(Ginni Rometti)でした。
日本IBMのエリー・キーナン(Elly Keinan)社長に紹介されて壇上に上がったジニは、AI時代におけるデータの重要性を力説、「世界にあるデータのうち、検索可能(searchable)な状態になっているのは20%だけ。もし残りの80%を使うことができれば、あなたの会社もディスラプターになることができる。データ活用の成長とともに、企業を成長させることが可能になる」と語り、続けて「データ活用においては、その分野における知見(expertise)と透明性(transparency)が重要。もしあなたの会社が保険会社なら、そのexpertiseは何か。保険そのものではなくリスクマネジメントをexpertiseとするべき。IBMはあなたがexpertiseを見つけ、新たな可能性を見出していくことを支援する。もちろんIBMのブランドにかけて、データのセキュリティとプライバシーを保証することを約束する」と、日本企業のデータビジネスへのサポートをあらためて表明しました。そのサポートの一環として、2019年に大阪に「IBM Cloud」のデータセンターを開設することを表明しています。なお、話題のRed Hat買収に関してはとくに触れることはありませんでした。
IT業界のエグゼクティブの中でもジニ・ロメッティの存在感は傑出しています。6年前のCEO就任以来、IBMの業績は決して良好ではないのですが、それにもかかわらず彼女のカリスマ性は逆に年を追うごとに増しているように思えます。IBM社内はもちろんのこと、業界の内外からつねに注目とリスペクトを集めるジニですが、目下の課題は、ジニ以上にIBM Cloudの動向が注目されるようになることかもしれません。
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