【The Weekly, July 12 2021】アンディ・ジャシー、Amazon CEOになる / 米国防総省、JEDIをキャンセル

※2021年7月5日週のエンタープライズニュースのハイライトを筆者の独断と偏見によるセレクトでお伝えします

🐾News of the Week

  • ヤフー、Yahooブランドを保持するVerizon Mediaと締結していた「ヤフージャパン ライセンス契約」の終了を発表、Verizon Mediaに対し1750億円を支払い、「Yahoo!」および「Yahoo! JAPAN」に関連する商標や技術をロイヤリティの支払いなしで利用することが可能になった。ヤフーは「なお、「ヤフージャパン ライセンス契約」は終了するものの、事業・技術面などにおいて引き続きVerizon Mediaとの協力関係は維持されます」とコメント。なおVerizon Mediaは今年度中にApollo Global Managementによる買収が完了し、新社名「Yahoo」のもとでメディア事業を継続する予定。(7/5) →プレスリリース
  • SAPジャパン、2020年11月にSAPが買収したカスタマーエンゲージメントプラットフォームのEmarsysをコアにしたBtoC向けのカスタマーエクスペリエンス(CX)戦略についてプレスセミナーを開催。マーケティングオートメーション(MA)を導入した企業がもつ「MA導入に外部パートナーの力が必要」「マーケティング人材や分析者が不足」「MAの効果が不明瞭で予算が付きにくい」といった課題の解決を、データ取得/スピード化/パーソナライズ/自動化/測定という5つの柱でもって支援する。導入企業のPumaは「一貫性のあるパーソナライズされたジャーニーを、シングルプラットフォーム上ですべての消費者に提供できる」とEmarsysを高く評価。(7/6) →ニュースリリース
  • シスコシステムズ、コロナ禍で好調なWebex事業をアップデート、800以上の機能追加行ったオンラインコミュニケーションツール「Webex Suite」を発表。コロナ後の働き方はオフィス勤務と在宅勤務/リモートワークが混在する”ハイブリッドワーク”が主流になるという前提のもと、双方向コミュニケーションを加速する「Slido」との連携、AIによるノイズキャンセリング機能「babblelabs」、プレゼンの没入感を拡大するイマーシブシェア、オフィスの電話番号をマルチデバイスで利用可能にする「Webex Calling」などを新たに搭載。「クラウド上で一括管理できるWebexは、ハイブリッドなコミュニケーションでもって働きやすさと働きがいの両方を提供できる唯一のソリューション」(シスコシステムズ 代表執行役員社長 中川いち朗氏)(7/7) →ニュースリリース
  • 日本オラクル、三澤智光執行役社長による2022年度事業戦略説明会を開催、2021年度はSaaS事業(Oracle Cloud Applications)が好調で、とくに基幹システムでの採用が拡大、三井住友フィナンシャルグループや野村総研などの大規模事例も。またOracle Cloud Infrastructure(OCI)の導入もワークスアプリケーションズなどISVを中心に拡がった。こうした流れを受け、2022年度は「デジタルトランスフォーメーションの加速」「ミッションクリティカルなシステムのクラウド化」「次世代社会公共基盤の実現支援」「パートナーエコシステムの拡充」を重点施策とし、レガシーのモダナイゼーションを加速することを掲げる。「日本のミッションクリティカルなシステムのほとんどにオラクルが絡んでいる。(競合他社による)安易なクラウド化は基幹システムの特性を無視しており、性能が十分に出ていないことが多い。OCIがそれを解決していく」(三澤氏)(7/8)

🐾Around the World, Around the Enterprise

  • 米国防総省(DoD)、2019年にMicrosoftと締結した100億ドル(約1兆1000億円)のクラウドプロジェクト「Joint Enterprise Defense Infrastructure(JEDI)」のキャンセルを発表、プロジェクトを「Joint Warfighter Cloud Capability(JWCC)」として仕切り直し、新たにMicrosoft、AWSを含む米国のハイパースケーラー数社への受注を図ることに。AWSは2019年にMicrosoftがJEDIを受注した際、「ドナルド・トランプ大統領(当時)からの不当な圧力があった」として提訴していた。キャンセルの理由について国防総省は「要件やクラウドの状況、産業構造など外的要因が変化する中で、JEDIはもはやニーズを満たしていない契約となった」とコメントしている。(7/6) →ニュースリリース / Microsoftのコミットメント
  • 英国の量子コンピュータスタートアップOxford Quantum Cirquits(OQC)、英国で最初となる量子コンピューティングのプラットフォームサービス(Quantum Computing-as-a-Service: QCaaS)をローンチ、同社の量子コンピューティングシステム「Sophia」へのアクセスをプライベートクラウド経由でパートナーや顧客に提供する。最初のパートナーは量子暗号デバイス「IronBridge」で有名なCambridge Quantum Computing。OQCの3Dチップ「Coaxmon」は量子コンピューティングの世界で一般的な2次元超伝導よりもノイズが少なくてスケールしやすく、さらに大幅な省電力も期待できるといわれている。(7/7) →ニュースリリース
  • IBM、マルチクラウド環境におけるAI/MLパイプラインの構築を支援するフレームワーク「CodeFlare」をオープンソース(Apache 2.0)で公開。モデルのトレーニングやスケールを自動化し、AIエンジニアが環境の準備に費やす時間を削減する。「IBM Cloud Code Engine」や「Red Hat OpenShift」などのKubernetesラインタイム上にもデプロイ可能。(7/7) →IBMのブログ

🐾Sound of the Week

IBM Q – 20量子ビットが奏でる音

–Thanks for Reading!

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