ソラコム、AI処理機能搭載のイメージセンサーを組み込んだ「S+ Camera Basic Smart Edition」を発表

ソラコムは6月22日、オンラインで開催中の「SORACOM Discovery 2021」において、IoTカメラ「S+ Camera Basic」に、ソニーセミコンダクターソリューションズのインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を搭載したAI特化型の高性能モデル「S+ Camera Basic Smart Edition」を発表しました。IMX500を搭載したAI/IoTカメラとしては世界初のリリースとなります。

S+ Camera(サープラスカメラ)はLinux搭載の小型コンピュータ(Raspberry Pi)をエッジ処理基盤として内蔵したプログラマブルなIoTカメラで、ユーザはWebコンソールから撮影画像にアクセスしたりカメラの状態を確認したりするだけでなく、セルラー回線経由でリモートからオンデマンドかつセキュアにAIアルゴリズム(定期画像送信、顔検出など)の更新を行うことができます。JR東日本情報システムや日本瓦斯(ニチガス)、CESなど大手企業による導入事例も数多く公開されています。

今回発表された新モデルは、2020年5月にソニーが商品化した世界初となるAI処理機能搭載のインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を搭載し、カメラ自体にAI処理機能が実装されます。既存のBasicモデルでAI処理を行う場合、カメラで撮影された画像は内蔵コンピュータから外部のUSBアクセラレータに送られたのちにAI処理が行われますが、新モデルのBasic Smart Editionはカメラに内蔵された有効画素数1230万画素のIMX500が直接、画像処理を行うため、より高解像度/高速なAI処理を実現します。ソラコムによれば新モデルの処理性能はBasicモデルに比べて約1/50ほどに短縮されるそうで、CPUリソースの確保にも効果が期待できます。

AI機能が強化され、より高い解像度と高い処理性能がS+ Cameraで実現することで、たとえば「高速に動く人やモノの動態トラッキングや、スピーディに流れる工場レーンにおける不良品の検出」(ソラコム)といった動的なシーンを高精度でリアルタイムに解析することも可能になると思われます。IMX500上で稼働するAIモデルはリモートでデプロイ可能で、最初はソニーから3種類のAIモデルが提供されますが、近い将来にはパートナーなどが開発したAIモデルがマーケットプレイスから提供されるようになる予定です。

S+ Camera Basic Smart Editionの価格は1台あたり7万1280円で、6月22日より個数限定で予約を受け付け、9月初旬の発送開始が予定されています。2020年8月の発売以来、大小含めた細やかなアップデートを重ねてきたS+ Cmaeraシリーズですが、AI特化型モデルの投入により、さらに利用シーンが拡がっていくことになりそうです。

既存のBasicモデルに比べて大幅に画像処理性能が向上したAI特化型モデルの「S+ Camera Basic Smart Edition」は個数限定で6/22から予約開始

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