10月16日に東京・赤坂で開催されたホートンワークスジャパン主催のテクノロジカンファレンス「DataWorks Summit Tokyo 2018」には、ClouderaとHortonworksの合併のニュース直後ということもあり、約800名の参加登録があったとのこと。しかし、来日予定だったRob Bearden CEOは「合併に備えたキックオフミーティングのため」に急遽来日が中止になり、合併のニュースを深掘りしようとしたメディアにとってはやや肩透かしを食らったかたちになりました。
キーノートの後に行われた会見には、HortonworksのCTOを務めるScott Gnauが記者会見を行い、おそらくはClouderaとの合併と同時にリリースするとみられるハイブリッドアーキテクチャ「オープンハイブリッドアーキテクチャイニシアティブ(Open Hybrid Architecture Initiative)」についての概要を説明しました。
- 【Hortonworks】Open Hybrid Architecture Extends the Value of Open Source
- 【Hortonworks】Bringing Cloud Native Architecture to Big Data in the Data Center
オープンハイブリッドアーキテクチャイニシアティブは、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境、それもマルチクラスタ/マルチクラウドな環境において、環境をまたいだデータコントロールプレーンを提供し、シームレスでセキュア、かつ一貫したデータマネジメントを実現するという構想です。コンポーネントはHadoopなど100%オープンソースで構築されるのも特徴のひとつ。Gnauは「コンピュートとストレージを分離したことで、プロビジョニングやプランニングの負荷を大幅に軽減する。とくに1990年代から基本的なアーキテクチャが変わっていないデータセンターでのデータコントロールに大きな威力を発揮する」と説明しています。
もっともHorotonworksは以前からこれに近い共通データ基盤構想を提唱してきたので、個人的にはそれほどこのアーキテクチャにはインパクトを覚えません。それよりも注目したいのは、Clouderaとの合併のニュース直後に、あらためてすでに発表済みだったオープンハイブリッドアーキテクチャイニシアティブを打ち出してきたことです。Gnauによれば2019年早々にもプレビュー版を提供するとのことですが、大口顧客が多い日本でのカンファレンスにおいて、新アーキテクチャをCTOがアピールするということは、合併後も引き続き変わらないプロダクトラインを同社が提供していく方針を示したことにほかなりません。合併後の新会社のCTOにはHortonworksの共同創業者であり、プロダクト部門の責任者であるArun Murthyが就任しますが、合併後のポートフォリオ整理に向けて、すでにかなりの調整(or駆け引き)が具体的に進んでいると見てよさそうです。
トップ画像は会見に登壇したScott Gnau。Hortonworksに入社する前はTeradata Labsのプレジデントを務めていた、世界でもトップクラスのデータインテグレーションのエキスパートです。
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