【The Weekly, 5 April 2021】2020年度チューリング賞はコンパイラ開発に貢献のエイホ教授とアルマン教授

※2021年3月29日週のエンタープライズニュースのハイライトを筆者の独断と偏見によるセレクトでお伝えします。

○News of the Week

  • ソラコム、SORACOMプラットフォームをKDDI au 5Gネットワークに対応、5G(NSA)/4G LTEが利用できる新サービス「planX2」を提供開始。新規購入したSORACOM IoT SIMはもちろん、すでに保持しているSIMカードでもサブスクリプションコンテナ機能(1枚のSIMに複数の通信契約を追加できる機能)でもって1回線単位で利用可能に。(3/30) →関連リリース
  • VMware、モジュラー型のマルチクラウドプラットフォーム「VMware Cloud」、VMwareのマネージドクラウドサービス「VMware Cloud on AWS」「VMware Cloud on Dell EMC」とオンプレミスの「VMware Cloud Foundation」を単一の運用モデルで切り替えて利用できるサブスクリプションサービス「VMware Cloud Universal」、VMware Cloud Universalの利用状況をエンドツーエンドで可視化/制御する「VMware Cloud Console」、モダナイズすべきアプリケーションの優先順位付けを支援する「VMware App Navigator」を発表。個々の企業の状況に応じたアプリケーションのモダナイズとデジタルトランスフォーメーションを支援。(3/31) →関連リリース
  • Arm、10年ぶりの新アーキテクチャ「Armv9」を発表。汎用コンピューティングの経済性や設計の自由度といった優位性を活かしながらも、より多様化するAIワークロードに対応するため用途特化型のプロセッシングを強化、さらにハードウェア/ソフトウェアのシステムレベルの最適化を通してパフォーマンスの最大化を加速、次世代CPUではCPU性能の30%向上をめざす。(3/31) →関連サイト
  • Cisco、オンラインで開催した年次グローバルカンファレンス「Cisco Live 2021」において”Network-as-a-Service(NaaS)”のブランド「Cisco Plus」を発表、マルチクラウドに対応する「Cisco Plus for Hybrid Cloud」、SASEアーキテクチャをベースにしたセキュアなネットワークサービス「Cisco Plus SASE」をそれぞれサブスクリプションモデルで提供する。「Cisco Plusはハードorソフトではなく、顧客に”エクスペリエンス”のアウトカムを提供していく」(Cisco エンタープライズネットワーキング/クラウド部門 シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ トッド・ナイチンゲール(Todd Nightingale))(3/31) →関連ブログ
  • 東京都、都の大気測定局でモニタリングするPM2.5(微小粒子状物質)の1分値データ(2020年4月分)を試行的にオープンデータとして公開。地方自治体による1分値(速報値)データの公開としても注目される。東京都の宮坂学副知事は「まだ国や他自治体では公開していない1分値データの内容やデータ項目について、ご意見ご要望いただけますと幸いです。次年度の本公開に向けて参考にさせていただきます」とフィードバックを募る。(3/31) →関連サイト

○Around the World, Around the Enterprise

  • ドイツのプロセスマイニングスタートアップCelonisがIBMおよびRed Hatと戦略的提携を発表、IBMは今後、コンサルティングビジネスなどで「Celonis Execution Management System(EMS)」を活用するほか、Red Hatのハイブリッドクラウド基盤「Red Hat OpenShift Platform」へのCelonisソフトウェアのデプロイを進めていく。(4/1) →関連リリース
  • Google、4月からオフィスの再オープンを加速、リモートワークのガイドライを改定し、9/1以降は年間14日以上のリモートワークを希望する従業員は申請が必要に。(3/31) →関連ニュース
  • ACM(Association for Computing Machinery)、2020年度チューリング賞受賞者にコンパイラの開発に貢献した米コロンビア大学のアルフレッド・エイホ(Alfred Aho)教授とスタンフォード大学のジェフリー・アルマン(Jeffrey Ullman)教授が選ばれたことを発表。1967年に米ベル研究所で共同研究を開始、以降、プログラミング言語のセオリーや実装、アルゴリズム設計などモダンプログラミングの基礎を確立してきた実績が高く評価された。共著の”ドラゴンブック”こと「Principles of Compiler Design」(1977)はコンパイラ技術に関する古典的名著と呼ばれている。(3/31) →関連リリース

○Quote of the Week

I’m OPTIMISTIC because I saw what all of you did last year, I saw what our teams did last year, I saw the technology and the way we used it to actually help organizations and people work from home, remain productive in very very very stressful time.
–Chuck Robbins, CEO, Cisco Systems

※筆者訳: 私は(パンデミックの終わりに関して)楽観的に見ている。なぜならあなたたち全員が去年(2020年)やってきたこと、私たちのチームが去年やってきたことを見てきたからだ。テクノロジとそれを使うことで、人々が自宅から働き、従業員と組織が生産的であり続けることを支援してきた。この超ストレスフルな期間にあって、(さまざまなことを)やり遂げたのを見てきたからだ。

※※初のグローバルカンファレンスとなった「Cisco Live 2021」のオープニングキーノートでの発言。CiscoのWeb会議ツール「Cisco Webex」はコロナ禍の2020年に急速に普及し、現在は世界で5億人以上にリーチしているといわれる。

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