※2021年8月23日週のエンタープライズニュースのハイライトを筆者の独断と偏見によるセレクトでお伝えします。
🐾News of the Week
- NVIDIA、認証システム「NVIDIA Certified Systems」と仮想化プラットフォーム「VMware vSphere」に最適化されたAIツール/フレームワークのソフトウェアスイート「NVIDIA AI Enterprise 1.0」を一般提供開始。DellやHPEなど汎用的なデータセンターサーバと仮想化プラットフォームとして70%以上のシェアを占めるVMwareに最適化した”フルスタックAI”により、さまざまなAIワークロードをより高いコストパフォーマンスとスケーラビリティでもって展開可能にすることを目指す。すでに自動車向け対話型AIプロバイダのCerence、伊ピサ大学などがアーリーアダプタとしてNVIDIA AI Enterpriseを開発/研究に導入済み。(8/24) →NVIDIAプレスリリース(英文) (日本語)
- 日本IBM、グローバルで発表した「データ侵害のコストに関する調査レポート 2021年版」について報道関係者向けに解説。17の国と地域および17業種を対象に全世界で537件のインシデントを調査、データ侵害時に発生する世界的な平均コストは424万ドルで2020年から10%増、うちリモートワークを要因とする漏洩は107万ドルに達する。また日本の平均コストは約5億円でグローバル平均よりも高く、そのおもな理由として「不満や恨みをもつ従業員/退職者など悪意あるインサイダーによる情報漏洩が”静かに進行中”」(日本IBM セキュリティ事業本部 X-Force 日本責任者 徳田敏文氏)であることが挙げられる。(8/25) →プレスリリース
- 台湾に本社を置くAI企業のAppier(エイピア)、チハン・ユーCEOによる事業説明会を国内報道関係者向けに実施。2021年度第2四半期の売上は前年同期比50%増の28億円を達成し、通期業績予想を109億円から117億円に上方修正、現在は従業員500名超、世界17都市にオフィスを構えるが「日本市場は台湾に次ぐもっとも重要な市場」として重点的に投資を続ける意向を表明。おもな顧客にGMOメディア、明治産物保険(台湾)、資生堂など。得意とする「顧客の振る舞いを予測するアルゴリズム」の精度の高さでもって、eコマースや保険業界といったBtoC市場での存在感を強めていく。(8/25) →ニュースリリース
🐾Around the World, Around the Enterprise
- Gartner、数あるハイプサイクルの中でももっとも注目度の高い「先進テクノロジのハイプ・サイクル」の2021年度版を発表。1500を超えるテクノロジを分析し、今後5 – 10年にわたって競争優位性をもたらす可能性が高いテクノロジを「信頼を構築する」「成長を加速する」「変化を形作る」の3つのトレンドに包括的に集約している。現時点で「過度な期待」のピーク期にあるテクノロジは非代替性トークン(NFT)、分散型アイデンティティ、コンポーザブルアプリケーション、従業員コミュニケーションアプリケーションなど。(8/24) →プレスリリース
- Linux、1991年8月25日の誕生から30周年を迎える。LinuxクリエーターのLinus TorvaldsとともにLinuxカーネル開発のコアメンバーとしてコミュニティをまとめてきたGreg Kroah-Hartmanは「The Register」のインタビューで「カーネル開発のもともとのゴールは、すべてのハードウェアで動く、誰もが使えるカーネルを提供することで、それはいまもあまり変わっていない」とカーネル開発の基本的なアプローチは30年間変わってないとコメントしている。(8/25) →「The Register」のインタビュー
🐾Quote of the Week
The world has changed so much, but many companies still store data like it’s 1999.
10 Top Topics From AWS Summit: Swami Sivasubramanian
–Swami Sivasubramanian, Vice President of Machine Learning and Artificial Intelligence, AWS
※筆者訳: 世界は大きく変わっている。なのに多くの企業はいまも1999年であるかのようなやりかたでデータをストアしている
–Thanks for reading!
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