少し前の記事の紹介になりますが、「IT Leaders」にデルとSAPジャパンの国内中堅企業向け共同プロジェクトの取材レポートを掲載いただいています。Dell EMCのハイパーコンバージドインフラ(HCI)に動作検証済みのSAP ERPを搭載したパッケージを提供していくというプロジェクトで、約4300社への販売機会をターゲティングしています。
プロジェクトの概要は記事を参照していただければと思いますが、この取材で印象に残ったのは、デルでミッドマーケットを担当されている広域営業統括本部 執行役員 統括本部長の清水博氏が言われていた「国内の中堅中小企業に訪れている3つの変化」です。
- グローバル展開の加速 … 2016年11月にトランプ大統領が勝利して以来、政治/経済に大きな変化が起こったことをきっかけに日系企業の海外進出が大きく増え、現在は7万5500拠点を超えており史上最高。中でも製造業のグローバル展開が進んでおり、中堅企業(従業員数200名以上1000名未満)でも77%がグローバル展開を検討/実施
- 企業変革 … 中堅企業の経営者の若返り(平均年齢57.7歳)が進行しており、経営層のITリテラシが高まってきていることから、経営とITの一体化が確実に進んでいる。また中堅企業の81%が働き方改革に着手、うち92%でIT予算が増加
- グローバルERPの着手 … これまで手組の独自開発システムで運用していた中堅企業のうち37%が、業務の標準化や効率化を見据えてERPの導入を検討、また市場のグローバル化に伴い、中堅企業の23%がグローバル標準のERPの導入を検討している
とくに2の「経営層の若返り」は、少子高齢化が急速に進んでいる日本の現状を見ると意外に思えましたが、清水氏によれば社長が若返ったことでIT投資の意思決定に経営者が関与する割合は73%にも伸びているとのこと。中堅中小企業は事業承継が親から子へと行われるケースが非常に多いですが、現在はちょうどそのタイミングなのかもしれません。だとすれば、中堅中小企業が劇的に変わることができる大きなチャンスでもあります。このチャンスにSAP ERPのような標準的なITシステムを導入することは、日本の中堅中小企業がグローバルで生き残る競争力を得るためにも非常に有効な施策です。次の取材では経営層の世代交代とITシステムの刷新のタイミングをうまく合わせることができた企業の成功例をぜひとも聞いてみたいですね。