※2021年8月2日週のエンタープライズニュースのハイライトを筆者の独断偏見によるセレクトでお伝えします。
🐾News of the Week
- 楽天、2019年2月から戦略的パートナーシップを展開してきた米Altiostar Networksを約400億円かけて買収し、完全子会社化したことを発表。Open vRANベンダとして高い技術力とエコシステムをもつAltiostarの企業価値は約10億ドル(約1105億円)とも評価されており、楽天がグローバルで展開するクラウドネイティブなモバイルプラットフォーム「Rakuten Communications Platform(RCP)」のコアコンポーネントとして位置づけられる予定。「楽天とアルティオスター社は、革新的なイノベーションを創出し、セキュアで、コスト効率が良く、アジャイルなテクノロジーを世界中のMNOに提供することで、モバイルネットワークをエンパワーする情熱を共有しています。今回の買収により、楽天は、アルティオスター社を楽天グループに迎え入れられることを非常にうれしく思います」(楽天グループ 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏)(8/4) →ニュースリリース
- エヌビディア、国内報道陣向けにテレコム領域におけるNVIDIAのAI事業について説明会を開催、NVIDIAが注力する3つのテレコム領域とそのソリューションして「vRAN – NVIDIA Aerial」「ネットワーク解析 – ビッグデータとMLによるネットワーク最適化」「セキュリティ – リアルタイムAIサイバーセキュリティ」をピックアップし、それぞれの現状について解説。注目は5G基地局を構成する3つのコンポーネントのなかでも「もっとも仮想化が難しい」(NVIDIA デベロッパーリレーションズ/エバンジェリスト 野田真氏)とされるDU(Distributed Unit)にフォーカスしたSoftware-DefinedなvRAN構築ソリューション「NVIDIA Aerial」。NVIDIA GPU向けに高度に最適化された5G信号処理機能を提供する「cuBB/cuPHY」と、時刻同期処理やフロントホールに関わる高速I/O機能を提供する「cuVNF」から構成され、開発効率の高さとパフォーマンスのスケーラビリティを特長とする。富士通やGoogle Cloudとの協業も進行中で、2021年秋にはDPU(BlueField-2)とGPU(Ampere)をコンバージドアクセラレートとするハードウェア実装「Aerial A100」をリリース予定。(8/2) →NVIDIAの関連サイト
- Gartner、全世界における2021年の5Gネットワークインフラストラクチャの売上高が前年比39%増の191億ドル(約2兆1154億ドル)に達するという見通しを発表。新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務のためのツールややストリーミングビデオといった帯域幅を必要とするアプリケーションと、それをサポートする超高速ブロードバンド接続に対する需要が急増していることが大きな理由。また、商用可能な5Gサービスを提供するクラウドサービスプロバイダ(CSP)の割合は、2020年の10%から2024年には60%に拡大するとの予測も。「日本は5Gをリードする国のひとつ。とくにCSPによるOpen RANおよびvRANの早期商用化、企業によるローカル5Gの導入が世界に先駆けて行われており、日本発のエコシステムが世界に影響を与える可能性がある」(ガートナー ジャパン アナリスト/シニアディレクター 瀧石浩生氏)(8/5) →ニュースリリース
🐾Around the World, Around the Enterprise
- 米国家安全保障局(NSA)および米サイバーセキュリティ庁(CISA)、Kubernetesのサプライチェーンリスク/悪意ある攻撃/内部からの脅威への対応をまとめた技術ガイダンス「Kubernetes Hardening Guidance」を公開。(8/4) →NSA Kubernetes Hardening Guidance(PDF)
- Kubernetesでイベントドリブンなオートスケール環境を実現する「KEDA」がバージョン2.4.0をリリース。(8/6) →リリースノート
- VMware、「VMworld 2020」で発表した、仮想化機能(vSphere)をGPU搭載のSmartNICにオフロードするハイブリッドクラウドソリューション「Project Monterey」のアーリーアクセスプログラムを発表。(8/2) →VMwareのブログ / 筆者執筆のProject Monterey解説記事
–Thanks for reading!
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