いま起こっているイベントをいま処理する – 日本IBMがエンプラ向けKafkaをリリース

日本IBMは10月10日、オープンソースのイベント分散処理プラットフォーム「Apache Kafka」を企業向けに拡張した「IBM Event Streams」の提供開始を発表しました。同社のパブリッククラウドサービス「IBM Cloud」においてKafkaのマネージドサービスを2015年から提供してきましたが、今回はオンプレミス/プライベートクラウド向けにもパブリッククラウドと同等の環境を提供することが可能になります。

IBMは豊富なミドルウェア関連ポートフォリオをもちますが、そのなかでもメッセージングシステム「IBM MQ」はリリースされてから25年もの実績を誇ります。一方で、現在はデータベースやアプリケーションサーバなど静的なデータソースをベースにしたメッセージ処理だけではリアルの世界で対応できなくなっており、動的なストリーミングデータソース、たとえばソーシャルネットワークの「いいね!」やコメント追加、温度データや車載データなどIoTデータのリアルタイムトラッキング、ハッキング行為のリアルタイムログなど、”いま現在起こっているイベント”に遅滞なく適切な処理を実行する必要があります。世界最大のビジネスソーシャルネットワークであるLinkedInで生まれたKafkaは、静的なメッセージング処理だけでなく、動的なイベントストリーミングに対して高速な負荷分散処理を実行するエンジンとして機能します。そして増え続けるデータを効率的に、高速に扱う環境としてIBMが提供するのがKafkaベースのIBM Event Streamsになります。

 

Kakfaの基本アーキテクチャ。パブサブをベースにした「プロデューサー/コンシューマ」形式をとっている。コアとなっているコンポーネントは「ブローカー」で、プロデューサーとコンシューマの間でメッセージ/イベントの橋渡しを行う

IBM Event Streamsでは企業向けに以下の4つの拡張がなされています。

  • 本番環境で使用可能なApache Kafkaを数分で構築
  • ミッションクリティカルな環境に最適な災害復旧とセキュリティ機能を提供
  • Apache Kafkaに管理機能とスケーラビリティを提供
  • 既存データの活用およびIBM MQなど既存システムとの接続を促進

日本IBM IBMクラウド事業本部 第2テクニカル・セールス 部長 小島賢二氏は「パブリッククラウドでマネージドサービスとしてKafkaを最初に提供したのはIBM。MQでの25年の実績も含め、ミドルウェアでのIBMの強さをあらためて示したい」と語っています。シリコンバレーでは空気のように使われているKafkaですが、残念ながら日本での知名度ははるかに及ばず、IT業界関係者でさえも「Kafkaってなに?」という層がまだまだ多数派です。今回、IBMのようなミドルウェアで豊富な実績をもつビッグベンダが、企業ユースのKafkaを積極的にプロモーションする姿勢を見せたことは、個人的に非常に良い傾向だと評価しています。